「その土地の空気の中で、世界の料理を食べてみたい」
そんな思いを胸に会社を退職し(!)、ユーラシア大陸へと旅立つ一人の女子がいます。
イラストレーター・織田 博子。
きっかけは学生時代に旅行したインドでの経験でした。
牛と人が行き交う埃まみれの雑踏、意識が遠のくような暑さの中で旅の疲れを癒してくれたほんのり甘いチャイ。帰国後もそのやさしい味を忘れられずに、インド人直伝のレシピでチャイを煎れてみました。しかし…? (※)
ふだんの暮らしで見落としがちな「あたりまえ」はその地域や風土から生まれ、住まう民族に根付き、彼らとともに日々変化してゆくもの。土地の食事を現地の空気の中で味わい、そう強く実感した織田はやがて、ふだんのごはん=家庭料理に注目するように。
会社員時代には「世界の家庭料理を楽しむ会」を開催し、都内中心に30ヵ国以上の料理店を開拓、人が人を呼び参加者の世代や国籍もぐんと広がっていきました。一見バラバラの人間たちが「おいしい!」でつながる喜びを覚えた彼女の興味は、再び〈世界の土地とごはん、食卓をかこむ人間たち〉へと向き始めます。
そしてインド旅行から4年、2010年5月。
「やっぱり自分で体感して、世界を確かめてくる!」
どうしても諦められないからと、織田はユーラシア大陸1周半の旅へ!
帰国予定は同年クリスマス頃。7ヵ月にわたる〈ごはんと人とそこにあるものを感じる旅〉が始まりました。
ユーラシアの食卓を舞台に繰り広げる「突撃!となりの晩ごはん」企画?!
「MEETSMEALS! – 世界家庭料理の旅- 」、新聞とWebでお届けします。
※ 織田は当時の衝撃を「目の裏が焼けつくみたいだった」とわけのわからぬ例えで表現。美味しかったはずのチャイはいったいどんな味に?1号のプロローグへどうぞ!MEETSMEALS! -世界家庭料理の旅- 【ペルシャ編】
※ 1、2号は出発前に制作、都内の世界の家庭料理店を中心に紹介しています。
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